車輪は滑走路に、エンジンはその上に
本物の旅客機が地面に触れているのはタイヤだけです。それ以外はすべて宙に浮いていて、現代のナローボディ機ではその余裕がわずかしかありません。巨大なエンジンは主翼の下にぎりぎり収まっていて、ナセルとコンクリートの間にはほとんど隙間がないのです。
3Dでは長いあいだ、そうなっていませんでした。ジェット機36機種でエンジンナセルが本来より20〜65%太く、35機種ではエンジンかプロペラが車輪より下まで出ていました。機体は一番低いところで地面に乗ってしまいます。ボーイング757は、本来ならコンクリートに27センチめり込むはずのエンジンで立ち、主脚の車輪は宙に浮いていました。
いまはナセルが実際のエンジン直径と5%以内で一致しています。A350のナセルは4.46 mから3.70 mに、エンブラエル190は2.21 mから1.80 mに細くなり、58機種で脚が長くなりました。エンジンの下にはA320neoで37センチ、757で43センチ、A350で61センチの空間があります。
詳細モデルがある機種はすべて、詳細モデルと遠景用モデルの両方で確認しています。機首をわずかに上げて接地する瞬間でも、車輪の下端は滑走路面と2センチ以内で一致します。機体全体も合っています。車輪から垂直尾翼の先端までの高さは、実機との差が0.6%以内です。だから駐機場でも、接地の瞬間でも、離陸滑走中でも正しく立っています。


接地とともにスポイラー
本物の旅客機では、主脚の車輪が滑走路に触れた瞬間、左右の主翼の上面でパネルが一列に立ち上がります。スポイラーは揚力を消し、機体を車輪に押しつけてブレーキを効かせ、それ自体も抗力を生みます。機体が減速して滑走路を離脱するまで立ったままです。離陸を中止したときにも立ち上がりますが、タッチ・アンド・ゴーでは寝たままです。
スポイラーが出ているかどうかを知らせる機体はありません。そこで機体の動きから描きます。データ上、機体が本当に滑走路上で車輪に乗り、減速していると分かった時点で立ち上がります。見えるパネルの枚数は実機と同じく機種ごとに違います。A320は片翼5枚、ボーイング737は6枚、777と787は7枚、A380は8枚です。パネルは各モデルの実際の主翼の上にあり、胴体やエンジンに食い込むことはありません。立ち上がったパネルの下には暗い隙間も見えます。簡略化した遠景用モデルにもスポイラーがあります。
ここはデータに惑わされやすいところで、私たちはそれを見越して作りました。離陸滑走は一瞬、着陸後の滑走とまったく同じに見えます。どちらも滑走路上を高速で走る機体だからです。そのためスポイラーは本当に減速が始まるまで待ちます。58件の出発を集めたテストでは、離陸滑走中に立ち上がったことは一度もありません。タッチ・アンド・ゴーも最初の数秒は着陸に見えますが、データが再加速を示した時点でパネルは寝て、機体が滑走路を離れる前に収まります。接地の瞬間をとらえられず、着陸滑走の途中から現れた機体も、減速していると分かった時点でスポイラーが立ちます。
ではATRは? 片翼に1枚しかなく、それもロール操縦にしか使わないので、地上でスポイラーとして立つことはありません。だから私たちのATRも接地後に寝たままです。一方ダッシュ8は、エンジンより外側で片翼2枚ずつを立てます。パネルの枚数を確かめられていない機種には、想像で付けるより何も付けません。9月30日の時点で、スポイラーを持つ機種は70になりました。


プロペラ、主翼、尾輪
ターボプロップ機は別世界です。プロペラのブレードはコンクリートから安全な距離を保つ必要があるため、ATRやダッシュ8のような高翼機は、胴体の上に載った主翼の下の高い位置にエンジンを積んでいます。ダッシュ8ではエンジンナセルの下端が車輪から2.3 mの高さにありますが、ジェット機のA320neoでは40センチもありません。
ATR、ダッシュ8、CN-235、C295、An-24、An-26、An-32、そしてC-130は、プロペラ、主翼、主脚が実機と同じ位置にあります。ダッシュ8の位置は、自由なライセンスの写真から測りました。セスナ・キャラバンは機首にプロペラがあって地面に近く、以前は車輪より10センチ下まで出ていました。いまはブレードの先端と滑走路の間に30センチあります。
ピラタス・ポーター、An-2、パイパー・カブは古いタイプの機体です。前脚の代わりに後ろに小さな尾輪があり、地上では機首を空に向けて3点で立ちます。地上走行中は機首越しに前が見えないので、パイロットは左右に蛇行して進みます。私たちのモデルも同じように機首を上げて立っています。


太陽を追う影
エプロンに落ちる機体の影は、腕時計より正確に時刻を教えてくれます。正午には胴体のほぼ真下に隠れます。太陽の低い朝や夕方にはエプロンいっぱいに伸びます。太陽が地平線から7度の高さなら、影は機体の高さの8倍になり、高さ12 m弱のA320の垂直尾翼は、長さ100 m近い暗い帯をコンクリートの上に落とします。
そこで3Dでは、どの機体もその空港の上空で、その時刻に太陽が実際にある方向から影を落とします。同じ瞬間でも、プラハ、アトランタ、ドバイでは太陽の位置が違います。サンパウロでは正午の影が南を向きます。南半球では真昼の太陽が北にあるからです。プロペラもブレードと回転面ごと影を落とし、ヘリコプターのローターも同じです。
ただ、大きな空港には機体がたくさんあります。アトランタのある画面では102機が駐機や地上走行をしていて、画面上では爪ほどの大きさしかない機体まで、詳細モデルの影を落とそうとします。そこで遠くの機体は簡略化した形の影を落とします。A320ならポリゴン数はおよそ10分の1です。それでも胴体、主翼、垂直尾翼、エンジンがそろった機体全体なので、太陽が低くても影の長さと形は詳細モデルと変わらず、両者はおよそ9割重なります。欠けているのは降着装置と細かな部分だけで、画面上で数ミリの機体では誰にも見分けられません。グラフィック品質「中」では、102機のうち78機がこの影を落とします。
もっと安上がりな近道もありました。地面に平らな輪郭を置く方法です。しかし輪郭には垂直尾翼がないので、太陽が低いと影の一番長い部分がまさに消えてしまい、A320の影は面積が3分の1に縮みます。カメラを近づけると、影が突然3倍になるわけです。私たちはこの方法を採りませんでした。クリックした機体には常に完全な形の影が付き、近くで見れば新しい影の画面は以前と1ドットまで同じです。それでいて、アトランタ規模の空港では影の描画にかかる負荷がおよそ半分になり、遅い端末でも3Dがよりなめらかに動きます。


ジェット機36機種で、エンジンが最大65%大きすぎました。いまは実際の直径と5%以内で一致しています。

